茨城新聞 平成26年5月11日
高齢者の異変 自動通報 ひたちなかの中小企業 安否確認システム開発
高齢者の孤独死が問題となる中、ひたちなか市の中小企業が、高齢者などの生活反応をセンサーで感知し、定期的に電子メールで離れて暮らす家族らに報告する安否確認通報システムを開発した。高齢者などを対象にした見守り活動の一環で、センサーと無線端末を組み合わせた自動通報システムは全国でも珍しいといい、同社は「1人暮らしのお年寄りなどの見守りに活用してほしい」としている。システムを開発したのは、同市高野のインターフェース(秋山公彦社長)。新製品開発を目的とした同市補助金を活用して商品かした。
システムは、本体の親機と人感センサーを搭載した子機、押しボタン式の呼び出しユニットの3点セット。子機を高齢者宅の居間などに設置し、生活反応の有無を4時間ごとに親機を介して、登録した携帯電話やパソコンのメールアドレスに配信する仕組み。
メールを受ける家族らは、定期的に安否を確認でき、長時間にわたり生活反応がないなどの異変を感じたら、電話連絡するなど早期の対応が可能となる。呼び出しユニットは、緊急時や電話がほしいときなどの連絡用として使える。遠隔監視用の専用ソフトも併せて開発した。
秋山社長は、システムの特徴について「プライバシーに配慮しながら、高齢者の負担軽減にもつながり、適度な見守りが実現できる。無線通信と組み合わせ、配線工事を不要にした」と説明した。
秋山社長は1993年の同社設立時から、本業の自動制御設計の傍ら、安否確認システムの改良を続けてきた。きっかけは、居間も北海道洞爺湖町で1人暮らしする母親(92)への「何かあったら心配」との思い。
高齢者の見守り活動をめぐっては、民間業者などがセンサーのほか、実際の訪問や、電気、ガスの利用状況を通じた安否確認のサービスを繰り広げている。自治体も緊急通報システムなどの導入を進めているが、全体的に同システムの設置や利用が進んでいるとはいえない状況にあるという。
秋山社長は「今回のシステムの普及を図り、お年寄りが安心、便利に暮らせるコミュニティーづくりにつなげたい」としている。
同システムのレンタル代は月額5500円。同あわせは同社TEL029(285)8771